年金の扶養親族等申告書が届いたら?提出が必要な人・出さないとどうなる【令和9年分】

年金扶養親族等申告書の疑問解説

日本年金機構から突然の通知

「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」という書類が届いたら、

「これは何?」
「私も提出しないといけないの?」
「何もしなかったらどうなるの?」

と戸惑う人もいるでしょう。

令和9年分(2027年分)からは、この書類のお知らせが届く人の範囲が広がりました。そのため、今年初めて届いた人や、去年は届かなかったのに今年また届いた人もいます。

「書類が届いた=必ず提出」ではありません。

この記事では、年金や税金に詳しくない人でも分かるように、「自分は提出する?」「何をすればいい?」「何もしなかったら?」を中心に解説します。

📑目次

ご注意

この記事を読む前に
この記事は、2026年10月8日時点で日本年金機構が公表している令和9年分の情報をもとに、制度を分かりやすく整理したものです。実際に提出が必要かどうかは、受け取っている年金額、住んでいる市区町村、本人や家族の状況によって変わります。
また、年齢は2027年12月31日時点で判断します。2027年中に65歳になる人は、令和9年分では「65歳以上」として確認します。
この記事だけで個別の税額や提出の要否を確定できない場合は、日本年金機構や住んでいる市区町村へ確認してください。

まず結論|私は提出する必要がある?

扶養親族等申告書が届いたら最初に確認するポイント

まず確認するのは2つ

1.自分や家族について、税金を軽くできる「控除」があるか

2.受け取っている年金額が住んでいる市区町村の基準以上か

※「控除(こうじょ)」とは、一定の条件を満たす場合に、税金の負担を軽くできる仕組みです。

たとえば、条件を満たす配偶者や親・子などがいる場合や、本人が税金上の障害者、寡婦(かふ)、ひとり親などに当てはまる場合があります。

※「扶養」とは、ここでは家族の生活を経済的に支え、税金上の条件も満たしていることをいいます。

逆に、こうした控除が何もなければ、原則として申告書を提出する必要はありません。

どんな年金が対象?

ここでいう「年金額」は、主に老齢年金や退職を理由として受け取る年金の金額です。

日本年金機構では、「老齢または退職を理由として受け取る年金(老齢福祉年金を除く)」を申告書のお知らせの対象としています。

どんな人に届く?

令和9年分では、主に次の年金額以上の人へ申告書のお知らせが送られます。

2027年12月31日時点の年齢お知らせが届く年金額
65歳未満年98万円以上
65歳以上年148万円以上

※退職共済年金を受け取り、老齢基礎年金も支給されている人には別の基準があります。

ただし、98万円・148万円を超えたら必ず提出する、という意味ではありません。

住民税がかからない年金額の基準は、住んでいる市区町村によって違うためです。

控除がある人は、この金額を目安に確認

65歳以上・65歳未満の年金額別の提出判断
年齢年金額控除がある場合
65歳未満105万円以上提出が必要
 〃98万円以上105万円未満市区町村の基準を確認
65歳以上155万円以上提出が必要
 〃148万円以上155万円未満市区町村の基準を確認

住民税がかからない「非課税(ひかぜい)」の基準は、65歳未満では98万円・101万5,000円・105万円、65歳以上では148万円・151万5,000円・155万円のいずれかで、住所地によって異なります。

日本年金機構の地域一覧に載っていない市区町村は、いちばん低い基準(65歳未満98万円、65歳以上148万円)です。

65歳以上なら、
155万円以上 → 控除があれば提出
148万円以上155万円未満 → 住んでいる地域の基準を確認

具体例で確認|私は提出する?

具体的な例で見てみましょう。

👤 具体例で確認|私は提出する?
「書類が届く人」と「提出が必要な人」は同じではありません
Aさん
68歳
年金220万円
控除対象の妻がいる
✓ 提出が必要
Bさん
72歳
年金160万円
扶養家族なし・本人の控除もなし
― 原則、提出不要
Cさん
63歳
年金120万円
控除対象の親がいる
✓ 提出が必要
Dさん
68歳・年金150万円
控除対象の妻がいる
住所地の基準は155万円
― 提出不要
💡 ポイント: 控除する家族がいても、年金額が住所地の基準より少なければ、提出しなくてよい場合があります。
※年齢は令和9年分では2027年12月31日時点。実際の判定は本人・家族の状況などによって異なります。
例状況提出は?
Aさん68歳・年金220万円・控除対象の妻がいる必要
Bさん72歳・年金160万円・扶養家族なし・本人の控除もなし原則不要
Cさん63歳・年金120万円・控除対象の親がいる必要
Dさん68歳・年金150万円・控除対象の妻がいる・住所地の基準が155万円不要

Cさん|所得税が引かれていなくても提出する例

63歳のCさんは年金120万円です。

65歳未満の場合、年金から所得税があらかじめ引かれるのは年164万円以上なので、Cさんはその基準には届きません。

しかし、住民税の基準はもっと低く、最も高い地域でも105万円です。

Cさんは120万円なのでどの地域でも基準以上となり、控除対象の親がいるため、住民税の控除を受けるために申告書を提出します。

Dさん|届いても提出しない例

68歳のDさんは年金150万円なので、148万円以上となり、申告書のお知らせが届く範囲です。

しかし、住んでいる地域の基準が155万円なら、150万円は基準未満です。

そのため、控除対象の妻がいても、この場合は提出する必要はありません。

「控除する家族がいる=必ず提出」でもありません。
年金額の確認も必要です。

なぜ今年から届いたの?

令和9年分から、日本年金機構が申告書のお知らせを送る範囲が、住民税の対象になる可能性がある人まで広がったためです。

📊 申告書が送られる年金額はどう変わった?
令和9年分では送付対象が大きく広がりました
👨 65歳未満
令和7年分まで
108万円以上
令和8年分
155万円以上
令和9年分
98万円以上
👴 65歳以上
令和7年分まで
158万円以上
令和8年分
205万円以上
令和9年分
148万円以上
💡 令和9年分では、これまで届かなかった人にも届くことがあります。
ただし、この金額以上だから必ず提出する、という意味ではありません。
出典:日本年金機構の令和9年分扶養親族等申告書の案内をもとに作成
年齢令和7年分まで令和8年分令和9年分
65歳未満108万円以上155万円以上98万円以上
65歳以上158万円以上205万円以上148万円以上

たとえば65歳以上の場合、年金が148万円以上158万円未満なら、以前は届かなかったのに、令和9年分から初めて届くケースがあります。

一方、158万円以上205万円未満なら、令和7年分までは届いていたものの、令和8年分だけ届かず、令和9年分から再び届くケースがあります。

所得税が引かれていないのに、なぜ届く?

令和9年分では、年金から所得税があらかじめ引かれる基準は次のとおりです。

年齢所得税が引かれる年金額
65歳未満年164万円以上
65歳以上年214万円以上

※年金を受け取る前に所得税を差し引くことを、「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」といいます。

65歳以上の場合、申告書のお知らせは148万円以上から届く可能性がありますが、所得税が引かれるのは214万円以上です。

所得税が引かれていなくても届くことがあります

「所得税は引かれていないのに、なぜ申告書が届いたの?」という人もいます。

これは間違って届いたとは限りません。令和9年分からは、所得税が引かれない人でも、住民税の基準以上の年金を受け取り、控除を受ける場合には申告書を提出する必要があります。

提出するには?

提出方法は、紙で郵送する方法と、スマートフォンやパソコンから電子申請する方法があります。

✉️ 紙で提出? 📱 スマホ・パソコンで提出?
自分に合う方法を選べます
✉️ 紙で郵送
✅ 届いた申告書に記入
✅ 同封の返信用封筒で郵送
💴 普通郵便なら110円切手が必要
📅 提出期限は申告書に記載
スマホ操作が苦手な人にも分かりやすい方法です。
📱 スマホ・💻 パソコン
✅ マイナポータルから「ねんきんネット」を利用
✅ 自宅から電子申請できる
✉️ 郵送不要
💴 切手不要
利用にはマイナポータルとねんきんネットの連携など、事前準備が必要です。
💡 電子申請の対象となる人は、紙またはスマホ・パソコンから提出できます。 スマホ操作に慣れていない場合は、無理に電子申請を選ぶ必要はありません。
※電子申請を利用できる条件や操作方法は、日本年金機構の最新案内をご確認ください。

紙で提出する

届いた申告書を「申告の手引き」を見ながら記入し、返信用封筒で郵送します。

  • 普通郵便の場合は110円切手が必要
  • 提出期限は、届いた申告書に記載されています
  • 期限に間に合わなかった場合も、なるべく早く提出します

スマートフォンやパソコンから提出する

電子申請の対象となる人は、マイナポータルと「ねんきんネット」を連携することで、スマートフォンやパソコンから申告書を提出できます。

電子申請なら、紙の申告書を郵送する必要はなく、切手も不要です。

日本年金機構では、令和9年分について、スマートフォン版とパソコン版それぞれの操作動画も公開しています。

スマートフォンの操作に慣れていない場合は、無理に電子申請を使わず、紙で提出しても問題ありません。

何もしなかったらどうなる?

提出した場合・必要なのに提出しなかった場合・提出不要の場合の違い

提出が必要なのに何もしなかった場合

本来受けられる配偶者控除や扶養控除、障害者控除などが反映されないことがあります。

そのまま確定申告や、住んでいる市区町村への住民税の申告もしなければ、申告した場合より所得税や住民税が多くなる可能性があります。

「確定申告」とは、1年間の所得や税金を税務署へ申告し、税額を精算する手続きです。

なお、申告書を出さなかったからといって、所得税の税率そのものが高くなるわけではありません。

もともと提出する必要がない人は?

控除を受ける必要がない人や、年金額が住んでいる地域の基準に達していない人は、原則として提出不要です。

その場合、提出しなかったことだけを理由に税金が増えるわけではありません。

未提出の場合の罰則については、日本年金機構の令和9年分の案内では記載を確認できません。気になる場合は、下記の問い合わせ先で確認してください。

分からないときは?

日本年金機構では、扶養親族等申告書について、相談チャットや専用の問い合わせダイヤルを用意しています。

扶養親族等申告書お問い合わせダイヤル

問い合わせる際は、年金証書など基礎年金番号が分かるものを用意しておきましょう。

0570-081-240

050から始まる電話の場合:03-6837-9932

受付時間は、月曜日8:30~19:00、火~金曜日8:30~17:15、第2土曜日9:30~16:00です。祝日や年末年始などは利用できない場合があります。
⇒最新の受付時間や詳しい利用条件は 日本年金機構の公式ページ をご確認ください。

また、申告書をなくした場合は、日本年金機構のホームページから令和9年分の申告書を印刷して提出できます。

住民税の基準について分からない場合は、住んでいる市区町村へ確認しましょう。

まとめ|「届いたか」だけでなく「年金額と控除」を確認

令和9年分から、扶養親族等申告書のお知らせが届く人の範囲が広がりました。

そのため、今年初めて届いた人や、去年は届かなかったのに今年また届いた人もいます。

「申告書が届いた=必ず提出」ではありません。

まず、自分や家族について税金の控除を受けるかを確認します。

控除を受ける場合は、次に、自分の年金額が住んでいる市区町村の基準以上かを確認しましょう。

提出が必要な人が何もしないと、本来受けられる控除が反映されず、税金が多くなる場合があります。

一方、控除がなかったり、年金額が地域の基準より少なかったりする場合は、申告書が届いても提出不要となることがあります。

迷ったら、この2点から確認

✅ 私は控除を受ける?

✅ 私の年金額は地域の基準以上?

それでも分からない場合は、日本年金機構や住んでいる市区町村へ確認しましょう。

参考・出典

この記事は、日本年金機構が公表している令和9年分(2027年分)の情報をもとに作成しています。 制度の詳しい条件や最新情報については、以下の日本年金機構公式ページもあわせてご確認ください。

※制度内容や受付時間などは変更される場合があります。最新情報は日本年金機構の公式ページでご確認ください。

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