【2025年最新】郵便貯金が消える!?あなたのお金が国に帰ってしまう。

あなたも「タンスの奥にある古い通帳」「親の郵便貯金が行方不明」は無いですか?――。もし、放置すれば20年2か月で、そのお金が消えるかもしれません。

郵便貯金消滅

郵政民営化前(2007年9月30日以前)に預けた定期性の郵便貯金は、満期から20年2か月で払い戻し権利が消滅し国庫に帰属します。
また、未請求残高は5,031億円(2022年12月末時点)催告書(※2)未達率は約80%に達し、高齢者や相続人が資産を失うリスクが顕在化しています。
本記事ではこの問題の概要と対策を解説します。



目次

【重要な免責事項】 本記事は 2025年7月時点 の法令・制度に基づく一般的な解説です。今後の法改正や個別事情によって取り扱いが変わる可能性があります。地域や各窓口の運用も異なるため、最終的な判断や申請手続きは必ず 弁護士・司法書士・税理士などの専門家 へご相談ください。
本記事の内容に基づく判断により生じた損害について、当方は責任を負いません。

【重要な注意事項】 本記事では分かりやすさを優先し、一部の例外規定や詳細要件を省略しています。読者の資産状況・家族構成によっては別の方法が適切な場合があります。


1. 問題の概要

  • 未請求残高:5,031億円(2022年12月末)
  • 権利消滅額:2020年度369億円、2021年度457億円。国庫に帰属しています。
  • 催告書未達:「権利消滅のご案内(催告書※2)」は約80%が未達(2019–2021年度の30.6万件中24.4万件が未達)。

これは、高齢化による住所変更漏れ認知症名義変更未届など、複合的な要因で年々悪化している深刻な問題です。


2. 制度の仕組みと注意点

旧郵便貯金法の20年2か月ルール

  1. 満期日:初回「満期のご案内」が届く
  2. 満期+10年:「満期日経過のご案内」が届く
  3. 満期+20年:「権利消滅のご案内(催告書※2)」が発送される
  4. 催告書発送後2か月:払戻請求がなければ、預金者の権利そのものが消滅し、国庫に帰属する

制度の比較:なぜ郵便貯金だけが?

項目旧郵便貯金法
(民営化前の郵便貯金)
休眠預金等活用法
(銀行預金・民営化後の貯金)
対象民営化前 (H19.9.30以前) の定額・定期貯金等10年以上取引のない預金等
時効満期後 20 年 2 か月で 権利消滅権利は消滅しない
払い戻し原則不可 (近年、救済措置が導入)いつでも可能
資金の行方国庫に帰属民間公益活動へ活用 (払い戻し原資は確保)

預け入れた時期によって国民の財産が異なるルールで扱われる「制度の不整合」こそが問題の根幹です。

ポイント:催告書未達問題

権利消滅を防ぐための最終通知である催告書※2が、住所変更未届や認知症、名義変更未届などの理由で、約80%もの割合で差出人に戻ってきています。通知が届かず権利が消えるのは、預金者保護上の大きな課題です。


3. 今すぐできる対処方法

  1. 通帳・証書を確認
    古い郵便貯金の通帳や証書がないか確認しましょう(紛失していても窓口で調査可能です)。
  2. ゆうちょダイレクト(※1)でオンライン残高照会:
    登録済みの場合は、インターネットで残高や取引履歴を確認できます。
  3. 住所・氏名変更届を提出:
    引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わった場合は、必ずゆうちょ銀行に届け出ましょう。窓口またはゆうちょダイレクト(※1)で手続き可能です。
  4. 家族・相続人と情報共有
    家族や相続人に、郵便貯金に関する情報を共有しておくことで、万一の際にも対応しやすくなります。
  5. 資産管理アプリでリマインドを設定
    資産管理アプリを活用し、口座情報を一元管理し、定期的な確認のリマインダーを設定しましょう。

4. よくある質問(FAQ)

Q1. 催告書※2が届かなかった場合でも払い戻せますか?
A. 2024年1月から「やむを得ない事情(※3)」が認められれば、権利消滅後でも払い戻しが可能な運用が始まりました。まずはゆうちょ銀行窓口でご相談ください。


Q2. 銀行預金の休眠口座とは何が違う?
A. 銀行預金は最後の取引から10年で休眠口座となり休眠預金等活用法の対象になりますが、同法により預金者の権利は存続し、時効は成立しないため、実務上いつでも払い戻し可能です。


Q3. 相続人はいつまでに請求すべき?
A. 相続人はいつでも払い戻しを請求できます。旧郵便貯金でも、権利が消滅していなければ請求可能です。もし満期から20年を超えていても、2024年1月からの救済運用の対象となる場合がありますので、まずはゆうちょ銀行にご相談ください。


5. まとめ

郵便貯金の権利消滅問題は、多くの国民が直面し得る課題です。しかし、2024年からの救済運用開始や、積極的な情報確認・共有によって、大切な資産を守ることは可能です。

専門家からは旧郵便貯金法を休眠預金法へ統合するなど、預金者の権利保護を強化するための抜本的な法改正を求める声が上がっています。制度の二重構造を解消し、誰もが自分の資産を守れる仕組みが必要です。


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用語解説

  • (※1)ゆうちょダイレクト
    ゆうちょ銀行が提供するインターネットバンキングサービス。残高照会や振込などがオンラインで行える。
  • (※2)催告書
    郵便貯金の権利消滅前に、ゆうちょ銀行から最終通告として送付される書類。この書類が届いてから2か月以内に手続きがないと、権利が消滅する。
  • (※3)やむを得ない事情
    2024年1月からの救済運用で、権利消滅後でも払い戻しが認められる条件。預金者が認知症や長期入院で手続きできなかった、相続人が存在を知らず催告書を受け取れなかった、自然災害で手続きできなかった、などが該当しうる。

参考文献

  1. 長期間ご利用のない貯金のお取扱いについて(ゆうちょ銀行)
  2. 郵便貯金の権利消滅等に関するQ&A(郵政管理・支援機構、2022-07-14)
  3. 郵便貯金の権利消滅に関するお知らせ(総務省)
  4. 郵政民営化前に預け入れられた定期性の郵便貯金の払戻しに係る運用の見直しについての要請(総務省、2023-9-1)
  5. 民間公益活動促進のための休眠預金等活用(内閣府)
  6. 長い間、お取引のない預金等はありませんか?(金融庁)

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