亡くなった親の銀行口座がわからないときの探し方|相続時照会も解説

亡くなった親の銀行口座がわからないときの探し方

親が亡くなってから、

「どこの銀行に口座があるかわからない」
「通帳もキャッシュカードも見つからない」
そんなとき、どうやって口座を探せばよいのでしょうか。

2025年4月からは、条件を満たせば「相続時預貯金口座照会」(以下、「相続時照会」)という制度も利用できるようになりました。

この記事では、亡くなった親の銀行口座を探す方法と、相続時照会の仕組み・注意点をわかりやすく解説します。


📑目次

ご注意

⚠️ この記事を読む前に

この記事は、亡くなった方の銀行口座を探す方法や「相続時預貯金口座照会」について、2026年10月2日時点で確認できる公表情報をもとに解説しています。
相続時照会ですべての銀行口座が見つかるわけではありません。 照会の対象となるのは、原則として被相続人のマイナンバーが付番された預貯金口座で、一部対象外となる金融機関もあります。
また、金融機関によって相続手続きや必要書類などが異なる場合があります。実際に手続きを行う際は、預金保険機構や各金融機関の最新情報をご確認ください。
※本記事は一般的な制度・手続きの情報提供を目的としたもので、個別の相続に関する法律・税務上の判断を行うものではありません。

親の銀行口座はどうやって探す?

まずは、身近なところに残された資料から金融機関の手がかりを探します。

🔍 チェックしたいもの

  • 通帳
  • キャッシュカード
  • 金融機関からの郵便物
  • 取引明細
  • 契約関係の書類
  • 確定申告などの税務関係書類
  • 年金などの振込に関する書類
  • 公共料金やクレジットカードなどの支払いに関する書類

たとえば、過去の通帳が見つかれば、振込先や口座振替の履歴から別の金融機関との取引が見つかることもあります。

また、公共料金などの支払いに使っていた口座や、年金などの受取口座から金融機関が判明する場合もあります。

紙の通帳がない口座もあるため、「通帳が見つからない=口座がない」とは限りません。

亡くなった親の口座探し「6つの確認ステップ」

身近な手がかりから確認し、必要に応じて金融機関への問い合わせや相続時照会を組み合わせます。

Step 1 自宅内を確認する ▼ 詳細を開く ▲ 詳細を閉じる

探すもの:通帳、キャッシュカード、金融機関からの郵便物、保管書類など。

ポイント:古い通帳が見つかった場合は、振込履歴や口座振替の履歴から、別の金融機関との取引が見つかることもあります。

↓
Step 2 税務関係書類・公的通知を確認する ▼ 詳細を開く ▲ 詳細を閉じる

探すもの:確定申告書の控え、配当金・利子所得の支払通知書、公的年金の振込通知書など。

ポイント:還付金や年金などの受取口座が記載されていれば、利用していた金融機関を探す手がかりになる場合があります。

↓
Step 3 生活費の支払いに関する書類を確認する ▼ 詳細を開く ▲ 詳細を閉じる

探すもの:電気・ガス・水道・通信費の領収書、クレジットカード利用明細など。

ポイント:口座振替に使っていた金融機関名などが記載されている場合があります。

↓
Step 4 スマホ・パソコンなどから手がかりを探す ▼ 詳細を開く ▲ 詳細を閉じる

確認例:銀行アプリの存在、ブラウザのブックマーク、口座開設や取引に関するメールなど。

注意:故人のID・パスワードを使ってネットバンキングへログインしたり、振込・解約・出金などの操作をしたりすることは避け、口座の存在が疑われる場合は金融機関の相続窓口へ問い合わせましょう。
↓
Step 5 心当たりのある金融機関へ問い合わせる ▼ 詳細を開く ▲ 詳細を閉じる

方法:利用していた可能性のある銀行・信用金庫などの相続窓口へ問い合わせます。

ポイント:戸籍などの必要書類を提出することで、その金融機関で口座の有無を確認できる場合があります。必要書類や照会方法は金融機関によって異なります。

↓
Step 6 相続時預貯金口座照会を利用する ▼ 詳細を開く ▲ 詳細を閉じる

方法:受付業務の委託を受けた金融機関を通じて、預金保険機構へ照会を申し込みます。

ポイント:生前にマイナンバーが付番されていた預貯金口座を探す手段です。未付番の口座は確認できないため、Step 1〜5と組み合わせて利用します。

心当たりのある金融機関が見つかったら

郵便物やカードなどから利用していた可能性のある金融機関がわかった場合は、その金融機関の相続窓口などへ問い合わせます。

相続人であることを確認するため、戸籍などの書類が必要になる場合があります。必要書類や照会方法は金融機関によって異なるため、各金融機関に確認しましょう。

⚠️ スマホやパソコンを確認するときは注意

ネット銀行などの場合、紙の通帳や郵便物がほとんど残っていないこともあります。

故人のスマートフォンやパソコンなどから銀行を利用していた形跡が見つかる場合もありますが、故人のID・パスワードを使ってネットバンキングへログインしたり、振込・解約・出金などの操作をしたりすることは避けましょう。

振込や解約・出金など、相続財産の「処分」にあたる行為をすると、単純承認とみなされ、相続放棄などができなくなる可能性があります(民法921条1号)。

口座の存在が疑われる場合は、その金融機関の相続窓口へ問い合わせ、正規の相続手続きに沿って確認するのが基本です。


2025年4月から「相続時照会」が利用可能に

家族が知らない金融機関の口座を探すとき、新たな手段となるのが「相続時照会」です。

亡くなった人が生前に預貯金口座へマイナンバーを付番していれば、相続人は預金保険機構から受付業務の委託を受けた金融機関を通じて照会を申し込み、マイナンバーが付番された預貯金口座の所在を確認できます。

被相続人や相続人が取引していない金融機関でも、預金保険機構から受付業務の委託を受けた金融機関であれば申込みができます。

なお、相続時照会はマイナポータルから申し込むことはできません。

💡 相続時照会のポイント

  • 2025年4月から利用可能
  • 金融機関を横断して照会できる
  • 対象はマイナンバーが付番された預貯金口座
  • すべての口座が必ず見つかる制度ではない

相続時照会でわかること

照会結果では、主に次のような情報を確認できます。

わかること

  • 金融機関名
  • 支店名
  • 預貯金の種類
  • 口座番号
  • 預貯金者名

ただし、口座残高は通知されません。

口座が見つかった後は、通知書に記載された金融機関へ連絡し、各金融機関の相続手続きを進める必要があります。

また、相続時照会の結果は、相続する口座の有無や内容を証明するものではありません。

対象は「預貯金口座」

この制度の対象となるのは、預貯金口座です。

証券口座や生命保険、暗号資産などを一括照会できる制度ではありません。

また、一部、手続きの対象外となる金融機関もあります。

対象外となる金融機関:デジタル庁「一部手続きの対象外となる金融機関」

相続時預貯金口座照会制度|基本仕様

制度を利用する前に確認しておきたい主なポイントです。

項目内容
開始時期2025年4月開始
利用できる人国内に通知先を有する相続人(包括受遺者を含む)または代理人
相続人が複数いる場合相続人1人で申込み可能・連名不可
利用できる期間原則、被相続人が亡くなってから10年後まで
手数料1件につき5,060円(税込)
結果までの目安おおむね1か月程度
通知方法転送不要の簡易書留
被相続人のマイナンバー相続人による提出は不要
通知される情報金融機関名・支店名・預貯金の種類・口座番号・預貯金者名
通知されない情報口座残高
照会対象マイナンバーが付番された預貯金口座
対象外証券口座・生命保険・暗号資産など
注意

手数料の返金条件に注意
2026年9月30日まで:
申込み成立後は、該当口座がなかった場合や申込書の記載不備・誤記入があった場合も、原則として手数料は返却されません。
2026年10月1日以降:
被相続人のマイナンバーを確認できず結果を通知できない場合、機構が改めて確認を行うことができるようになります。申込者が再確認を希望しない場合は申込みが合意解除され、手数料が返却されます。返金時に振込手数料の負担が生じる場合があります。それ以外の場合は、原則として手数料は返却されません。

※実際に申し込む際は、預金保険機構や受付金融機関の最新情報をご確認ください。


相続時照会は誰でも利用できる?

相続時照会は、亡くなった人の口座を誰でも調べられる制度ではありません。

利用できるのは、日本国内に通知先を有する相続人(包括受遺者を含む)またはその代理人です。

相続人が複数いる場合でも、そのうち1人で照会できます。複数人による連名での依頼はできません。

📄 主な必要書類

  • 申請者の本人確認書類
  • 被相続人の氏名・住所・生年月日などを確認できる書類
  • 申請者が法定相続人または包括受遺者であることを確認できる書類

亡くなった人のマイナンバーそのものを相続人が提出する必要はありません。

被相続人の本人特定事項をもとに、預金保険機構が住民基本台帳ネットワークシステムからマイナンバーを取得します。

また、相続時照会を利用できるのは、原則として被相続人が亡くなってから10年後までです。


相続時照会には5,060円の手数料がかかる

相続時照会には、1件につき5,060円(税込)の手数料がかかります。

結果が届くまでの期間は、おおむね1か月程度が目安です。

結果は、預金保険機構から申込者の日本国内の通知先へ郵送されます。

📮 引っ越し予定がある人は注意

照会結果は転送不要の簡易書留で送付されるため、申込み後に引っ越した場合は、新住所へ転送されません。

この場合、再度申請が必要となり、手数料も改めて必要になるため、近いうちに引っ越す予定がある場合は申請時期にも注意しましょう。

手数料は返金される?

預金保険機構が被相続人のマイナンバーを確認できず結果を通知できない場合、機構が改めて確認を行うことができるようになりました。

その際、申込者が再確認を希望しない場合には申込みが合意解除され、手数料が返却されます。返金にあたっては、振込手数料の負担が生じる場合があります。

実際に申し込む際は、受付金融機関や預金保険機構の最新情報を確認してください。

⚠️ 「該当口座なし」でも、本当に口座がないとは限らない

相続時照会で特に注意したいのが、結果の見方です。

結果が「該当口座なし」であっても、

「亡くなった人には、ほかに銀行口座が存在しない」

と断定できるわけではありません。

「該当口座なし」となる主なケース

相続時照会で「該当口座なし」となる場合には、次のようなケースがあります。

① 口座にマイナンバーが付番されていない

相続時照会で確認できるのは、原則として生前にマイナンバーの付番が完了していた預貯金口座です。

そのため、口座が存在していても、マイナンバーの付番が完了していない場合は照会結果に反映されません。

② 照会期間内に金融機関から回答がない

照会期間内に対象金融機関から回答がなかった場合も、「該当口座なし」となることがあります。

2026年10月1日から一部取扱いが変更

2026年9月30日までの規定では、被相続人のマイナンバーを住基ネットから取得できなかった場合も「該当口座なし」に含まれます。

氏名・住所・生年月日が正しくても、住所や文字の表記の違いなどによってマイナンバーを取得できない場合があります。

申込書に被相続人の情報を記入する際は、住民票の除票の写しなど、確認書類に記載されている氏名・住所などを表記どおりに記入することが重要です。

預金保険機構は、2026年10月1日から、この取扱いが変更されました。

改正後は、被相続人のマイナンバーを確認できなかった場合、「該当口座なし」とするのではなく、その旨を記載した別の通知書が送付される取扱いとなります。

複数口座があっても、すべて表示されるとは限らない

金融機関の口座管理の状況によっては、複数口座のうち代表口座のみが回答され、ほかの口座が結果通知に記載されない場合もあります。

💡 つまり、相続時照会は「すべての口座を完全に洗い出す制度」ではありません。

「該当口座なし」という結果だけで判断せず、自宅での手がかり探しや、心当たりのある金融機関への問い合わせと組み合わせて確認することが重要です。

⚠️ 相続時照会を申し込むと金融機関に死亡の事実が伝わる

もう一つ、申込み前に知っておきたい重要な点があります。

相続時照会を申し込むと、照会対象となる金融機関へ被相続人が亡くなったことが通知されます。

その結果、金融機関によっては、被相続人名義の預貯金口座などについて取引停止の措置が行われる場合があります。

口座から公共料金などの定期的な引き落としがある場合には注意が必要です。

「照会するだけだから、口座には何も影響しない」と考えず、取引停止後の扱いや相続手続きについては各金融機関へ確認しましょう。


生前にマイナンバーを付番していなかった口座は?

相続時照会の対象になるのは、基本的に、亡くなった人が生前にマイナンバーを付番していた預貯金口座です。

そのため、マイナンバーが付番されていない口座は、相続時照会では確認できません。

未付番の口座については、通帳や郵便物などの手がかりを探したり、心当たりのある金融機関へ直接問い合わせたりして確認する必要があります。

⚠️ 「マイナンバーカードを持っていたから大丈夫」というわけではありません。

預貯金口座へのマイナンバーの付番は任意で、金融機関などを通じて手続きを行う必要があります。

「公金受取口座」とは別の制度

ここで混同しやすいのが「公金受取口座」です。

公金受取口座登録制度は、給付金などを受け取るための口座を国に登録する制度です。

一方、預貯金口座付番制度は、金融機関にマイナンバーを届け出て預貯金口座へ付番する制度です。

💡 公金受取口座を登録しただけで、所有しているすべての預貯金口座にマイナンバーが付番されるわけではありません。

相続時照会に備える目的であれば、「預貯金口座付番」の仕組みを理解しておく必要があります。

なお、預貯金口座への付番が完了した後は、原則として取り消すことができません。


親の銀行口座を発見できなかったらどうなる?

さまざまな方法で調べても、口座を発見できなかったらどうなるのでしょうか。

まず知っておきたいのは、

親が亡くなったからといって、全国の金融機関から家族へ自動的に口座の存在が通知されるわけではない

ということです。

家族が口座の存在を知らなければ、相続手続きを行わないまま長期間残ってしまう可能性があります。

そこで関係してくるのが「休眠預金」です。

長期間取引がないと「休眠預金」になる場合がある

2009年1月1日以降に最後の「異動」があり、その後10年以上、入出金などの「異動」がない預金等は、休眠預金等になる場合があります。

ただし、

💡 休眠預金になっても、預金がなくなるわけではありません。

休眠預金等になった後でも、取引のあった金融機関で所定の手続きを行えば引き出すことができ、引き出しに期限はありません。

預金者が亡くなっている場合も、金融機関所定の相続手続きを経て、相続人が引き出すことができます。

金融機関から通知が来るとは限らない

残高が1万円以上の場合は、金融機関から登録住所へ通知が行われます。通知が預金者に届いた場合は、その預金は休眠預金等にはなりません。

一方、残高が1万円未満の場合は、個別の通知は行われません。

また、残高が1万円以上でも、金融機関に届け出ている住所が古いなどの理由で通知が届かない場合があります。

そのため、「長期間使っていない口座があれば、いつか銀行から家族に知らせてもらえる」とは限りません。

休眠預金の詳しい仕組みについては、
👉「家なき口座はどこへ|口座の扱いと相続時の手続き」
でも解説しています。


💡 自分の口座を「家族が見つけられる状態」にしておく

ここまでは、親が亡くなった後に口座を探す方法を紹介してきました。

しかし、自分の家族に同じ苦労をさせないためには、元気なうちの準備も大切です。

今からできることとして、下記があげられます。

今できること

  • 利用している金融機関を整理する
  • 使っていない口座を整理する
  • 通帳やキャッシュカードなどの保管場所をわかるようにしておく
  • 家族が必要な情報の存在に気づけるようにしておく
  • 預貯金口座付番制度について確認しておく

重要なのは、暗証番号やパスワードそのものを家族へ無理に共有することではありません。

まずは、

「どこの金融機関を利用しているのか」

を、必要になったときに家族が確認できる状態にしておくことです。

預貯金口座へのマイナンバー付番も、そのための選択肢の一つです。

ただし、一部の金融機関が制度の対象外となる場合や、金融機関の管理状況によってすべての口座が結果に表示されない場合もあります。

そのため、「マイナンバーを付番したから何もしなくてよい」ではなく、口座情報の整理と併せて備えておくことが大切です。

資産情報の整理には「iNFINITY Life」も検討

生前に銀行口座や証券などの資産情報を整理し、家族が必要なときに確認できるようにしておく方法の一つとして、「iNFINITY Life シンプル資産管理システム」があります。

iNFINITY Lifeでは、残高0円の口座も含めて資産情報を登録できます。また、招待した家族が承諾すると、登録した資産情報を閲覧できます。

次のステップ

  • iNFINITY Lifeでアカウントを作成
  • 残高0円の口座も含めて資産情報を登録
  • 家族を招待し、必要なときに確認できるようにしておく

👉iNFINITY Lifeを詳しく見る


まとめ|「いくら残すか」と同時に「家族が見つけられるか」

亡くなった親の銀行口座がわからない場合は、

🔍 探し方

① 通帳・カード・郵便物などから手がかりを探す
↓
② 心当たりのある金融機関へ問い合わせる
↓
③ 条件を満たせば「相続時照会」を利用する

という順番で確認していきます。

ただし、相続時照会を利用しても、故人のすべての口座が必ず見つかるわけではありません。

だからこそ、生前から、

「自分がどの金融機関を利用しているのか、家族が必要なときに確認できる状態にしておく」

ことも大切です。

相続の準備というと「いくら残すか」に目が向きがちですが、「残したお金を家族が見つけられるか」も考えておきたいポイントです。

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参考・出典

※本記事は2026年10月2日時点で確認できる制度・公表情報に加え、預金保険機構が公表している2026年10月1日改正の利用規定をもとに作成しています。実際に手続きを行う際は、預金保険機構や受付金融機関等の最新情報をご確認ください。

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