なぜ昇給より節約の方が効果的なのか?税金の仕組みから見る家計改善の真実

🤔 「昇給したのに、なぜかお金が貯まらない...」その理由とは?
「今年のボーナスは去年より10万円も多かったのに、気がつくと貯金額は変わらない」
「昇給したはずなのに、生活が楽になった実感がない」
こんな経験はありませんか?
実は、これには明確な理由があります。日本の税制では、収入が増えると税金・社会保険料も増えるため、手取りの増加幅は意外と小さくなってしまうのです。
一方で、節約して支出を減らせば、その金額がそのまま家計の改善につながります。
今回は、具体的な数値を使って「なぜ節約の方が効率的なのか」を解説し、バランスの取れた家計改善の方法をお伝えします。

🧭 目次
📊 1. 衝撃の事実:月1万円の効果を得るのに必要な努力
月1万円の効果を得るのに「昇給で収入を増やす」vs「節約で支出を減らす」どちらが良いでしょうか?
実は、節約の方が圧倒的に効率的なんです。
🔢 簡単な例で説明
👉月1万円得したい場合
▶📈 昇給で収入を増やす場合
- 月+12,500円〜20,000円昇給が必要
なぜなら税金・社会保険料(20%〜55%)により、2,500円〜10,000円引かれるから
※税率20%(年収400万円)~55%(年収4,000万円)の場合
👉気付かずに多額の税金を納めています。
▶📉 節約で支出を減らす場合
- (当たり前ですが)月10,000円節約するだけでOK
- 節約したお金に税金はかからない
つまり、1万円の節約 は1.2万円〜2万円の昇給と同じ効果!
税金が高い国では、無理して昇給するより、身近な節約の方が効果が高いということです。
🎯具合的な説明
💰 昇給で月1万円の手取り増を目指す場合
1万円の手取りを得るには、年収別に見ると、以下のような昇給が必要です。
年収 | 必要な昇給額 | 税金等の負担率 |
---|---|---|
400万円 | 月12,500円 | 約20% |
600万円 | 月14,300円 | 約30% |
800万円 | 月16,700円 | 約40% |
1200万円 | 月22,200円 | 約55% |
※税率の詳細
【一般的なサラリーマン(年収400~600万円)】
・所得税:5~10%、住民税:10%、社会保険料:約15%
→ 合計:約30%
【超高所得者(年収4000万円超)】
・所得税:45.945%(最高税率45% + 復興特別所得税2.1%)、住民税:10%、社会保険料:約2%(上限により年収比では激減)
→ 合計:約58%(実質的には約55%)
※社会保険料は年収1400万円程度で上限に達するため、超高所得者では年収に占める割合が下がります
💡 節約で月1万円の効果を得る場合
一方、節税の場合はどの年収でも“月10,000円の支出削減”だけでOK
節約したお金には税金がかからないため、削減した金額がそのまま家計改善効果になります。
🔍 なぜこんな差が生まれるのか?「手取り」の仕組み

📊年収別手取り額シミュレーション
このシミュレーターでは、あなたの家族構成(独身・夫婦のみ・子供1人・子供2人)に合わせて、年収別の手取り額と税金負担の内訳を確認できます。グラフ上部の「家計のパターンを選択」で切り替えて、ご自身の状況に近いデータをご覧ください。
年収別 手取り額シミュレーション
⚠️シミュレーションの注意
このグラフは、あくまで一般的な目安であり、特定の個人の手取り額を保証するものではありません。以下に示す要因によって、実際の手取り額は変動する可能性があります。
- 扶養家族の状況: 扶養している親族の有無や、配偶者の年収によって、所得税や住民税の控除額が変動します。
- 控除の種類: 生命保険料控除、iDeCoやふるさと納税などの所得控除、医療費控除、住宅ローン控除など、個別の状況に応じた控除額は含まれていません。
- その他の要因: 勤務先の規定(福利厚生など)、住んでいる地域(住民税の均等割額など)によっても、手取り額に若干の差が出ることがあります。
💸 給料から引かれるお金の内訳
会社員の場合、額面の給料から以下が差し引かれます:
- 所得税:5~45%(年収により変動)
- 住民税:約10%
- 社会保険料:約15%(健康保険・厚生年金・雇用保険)
📈 年収400万円(独身)の人の手取り計算例
年収400万円の場合
- 手取り年額:約316万円(月約26.3万円)
- 税金・社会保険料:約84万円
- 負担率:約21%
つまり、年収の約5分の1が税金・社会保険料で引かれているのです。
シミュレーターで確認すると、この人が月1万円多く手取りを増やすには、年収を約60万円(月5万円)アップさせる必要があることがわかります。
🚀 2. 節約の圧倒的な4つのメリット

✅ ①即効性:今すぐ効果を実感
- 昇給:人事評価、会社の業績に左右され、いつ実現するか不明
- 節約:今日見直せば、今月の支出から即座に効果が現れる
🎯 ②確実性:100%効果が出る
- 昇給:景気悪化や人事方針変更で期待外れになることも
- 節約:実行すれば確実に支出が減り、その分貯蓄が増える
💪 ③継続性:一度覚えれば一生使える
- 昇給:転職や退職で無効になる可能性
- 節約:身についた節約術は一生の財産となり、どんな環境でも活用可能
🎮 ④自主性:自分でコントロール可能
- 昇給:上司や会社の判断に委ねるしかない
- 節約:自分の意志で始められ、改善度合いも自分で調整可能
💡 3. 効果抜群!具体的な節約戦略
🏠 固定費削減(月1~3万円の効果)
📱 通信費の見直し
- 現状:大手キャリア月8,000円
- 改善:格安SIM月2,000円
- 効果:月6,000円削減
🛡️ 保険の最適化
- 現状:過剰な生命保険月15,000円
- 改善:必要最低限の保障月5,000円
- 効果:月10,000円削減
📺 サブスクリプションの整理
- 現状:動画配信3サービス月3,000円
- 改善:メイン1サービス月1,000円
- 効果:月2,000円削減
⚡ 変動費の賢い削減
🍽️ 食費の最適化
- 外食回数を月8回→4回:月15,000円削減
- 惣菜購入を自炊に変更:月8,000円削減
💡 光熱費の削減
- 電力会社変更:月2,000円削減
- エアコン設定温度調整:月500〜1,500円削減
⚖️ 4. 節約の注意点:やりすぎは禁物
🚫 避けるべき極端な節約
❌ 健康を害する節約
- NG例:食費を極端に削って栄養不足
- OK例:外食を減らして自炊を増やす
- 長期的影響:体調を崩して医療費が増加、仕事のパフォーマンス低下で昇進機会を逃す可能性
❌ 生活の質を著しく下げる節約
- NG例:真夏にエアコンを全く使わない
- OK例:設定温度を28度にして電気代を抑える
- 長期的影響:ストレス蓄積により心身の健康に悪影響、家族関係の悪化
❌ 時間コストを無視した節約
- NG例:1円安い卵のために遠いスーパーへ車で往復
- OK例:まとめ買いで交通費と時間を節約
- 長期的影響:貴重な時間を失い、スキルアップや家族との時間が減少
✨ バランスの取れた節約のコツ
- 価値観に合わせた優先順位
趣味や好きなことは無理に削らない/使っていないサービスから優先的に見直す - 段階的な改善
いきなり全てを変えようとしない/月1項目ずつ見直していく - 効果測定
月末に実際の削減効果を確認/うまくいった方法を継続・拡大
📈 5. 節約と収入アップの賢い使い分け
🏃♂️ 短期的な改善:節約が最適
- 期間:今日~半年
- 効果:確実かつ即効性
- 取り組み方:固定費→変動費の順で見直し
🎯 長期的な成長:スキルアップも重要
- 期間:1年~10年
- 効果:収入の上限を引き上げ
- 取り組み方:資格取得による昇進・転職/副業スキルの習得/投資知識の向上
節約で基盤を固めつつ、長期的にはスキルアップで収入の上限を引き上げる。この両輪での取り組みが理想的です。
❓ 6. よくある質問
Q1:節約ばかりでは将来が不安では?
A:節約は守りの家計術ですが、攻めの投資・スキルアップと組み合わせることで相乗効果が生まれます。
節約で生まれた余剰資金を投資に回したり、自己投資に使ったりすることで、将来の収入増につなげられます。
Q2:昇給を目指すモチベーションも必要では?
A:もちろんです。ただし、昇給「だけ」に頼るのではなく、節約と並行して取り組むことが重要です。
節約は確実な効果が得られるため、まず節約で家計を安定させてから、余裕を持って昇給やスキルアップに取り組めます。
Q3:節約にも限界があるのでは?
A:確かに節約には限界がありますが、多くの人はその限界に達する前に改善余地があります。
まずは固定費の見直しから始めて、無理のない範囲で段階的に取り組んでみてください。
📝 7. まとめ

🔥 節約が昇給より効果的な理由
税金の影響を受けない節約は、昇給の1.2~2倍の効果があり、今日から確実に始められます。
🎯 おすすめの取り組み順序
固定費見直し→変動費最適化→長期的なスキルアップの順で、段階的に家計を改善しましょう。
💫 理想的な家計改善の姿
節約で家計基盤を安定させ、生まれた余裕で長期的な収入アップに投資する。この守りと攻めのバランスこそが、本当の家計改善につながります。
まずは、あなたの固定費から見直してみませんか?今日の小さな一歩が、1年後の大きな変化を生み出します。
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📊 出典・参考情報
🏛️ 公的機関データ
- 国税庁「所得税の税率」
- 総務省「個人住民税」
- 全国健康保険協会「令和7年度都道府県単位保険料額表」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度雇用保険料率のご案内」
- 総務省統計局「家計調査」
LifeTrixサイト管理担当。
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2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
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応用情報技術者(AP)